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Posted by 滋賀咲くブログ at

2009年12月24日

回復とはつまり、別人になることだ。【ウツネタ】



 なにもクリスマスイヴに病気のことを書かんでもいいだろー、と思いつつ。

 先日、ジル・ボルト・テイラーの「奇跡の脳」を読みました。
 この人は高名な脳神経学者でしたが、37歳で自身が脳卒中で倒れる、という経験をしています。
 倒れる前から、だいぶパワフルな女性だったらしいですが、10年近くかけて回復した後も自身の体験談を各地で講演するなどやっぱりパワフルな女性です。





 しかし、自身が倒れる前と倒れた後では価値観がかなり違ってしまったようです。
 著書の中では「左脳的な思考(論理、批判など)」と「右脳的な思考(感覚、受容など)」のふたつが繰り返し述べられていますが、ひじょーーにかいつまんで言うと、倒れる前の彼女は左脳的であり、倒れた後は右脳的になった、ということでした。
 ま、この本が面白いのはそれを脳神経学者が脳の機能的解剖に基づいて解説していることなんですが。

 脳卒中のリハビリ、というのは失われた機能を回復することです。
 でも、いちど脳卒中でダメージを受けた箇所がそのまま再生することはありません。
 では、なぜリハビリで機能が回復するかというと、ほかの脳細胞が替わりのネットワークを作るからなんですね。脳の機能というのは完全に一個の細胞ががっちり握っているのではなく、複数の神経細胞が織り成すネットワークの集合体だ、といえます。
 で、彼女は10年余の歳月をかけ失われた機能を代替するネットワークを新たに再構築したわけです。なかには完全に回復しなかった機能もあるようですが、かわりに健全であるならば気づかなかったであろう多くのことに気づいた、といいます。
 
 だから言い方を変えると彼女の頭の中は大事な部分がすっかり入れ替わってしまったともいえます。
 外見も何もかも同じ人物として回復しているのに、脳の回路はすべて以前とは違う。「別人」になってしまった、ともいえます。
 
 ワタシがうつだったときにも、否定的な価値観が世界を覆っていました。
 うつは脳卒中ほどはっきりとは見えないですが、脳に物理的なダメージがあるといわれています。神経細胞が変成してしまうのですね。
 たぶん、ワタシがウツだったときも多くの神経細胞が変性してたのでしょう、たぶん。そして、リハビリ期を減ることで、多くの回路が今までと違う場所にできたのだと思います。脳の中で回路が組み変わったのでしょう。
 実際、考え方はすっかり、とは言わないまでも結構変わった実感があります。

 今のほうが、私は好きです。
 
 
 
   
タグ :ウツ


Posted by キミドリ at 11:48Comments(0)ウツネタ