この広告は365日以上更新がないブログに表示されます。  

Posted by 滋賀咲くブログ at

2009年04月02日

アナタとワタシのミッシングリンク【医療ネタ】

ミッシングリンク:
ミッシングリンク(Missing-link)とは連続性が期待されている事象に対して、非連続性が観察される場合、その比較的顕著な間隙を指す。



以前にも紹介したことがあるのですが、この本は統合失調症の患者自身が書いた手記です。
人から薦められて読んだのですが「統合失調症患者」を理解しようとするに当たって、非常にタメになる本だと思います。

彼らの特徴は「妄想」があることです。
妄想の定義には
・荒唐無稽であること
・訂正不可能であること
が含まれます。

しかしまー、この定義って、「他者から見てどうか」という視点なわけですね。
ま、それが「専門用語」や「学術用語」のワナだと思います。

改めて読み直していると、こちらが専門用語として理解している事象、「考想伝播(自分の考えが他者に伝わっていると確信すること)」や「注察妄想(常に自分が見張られていると感じる妄想)」が彼自身の中の文脈で語られ、彼らが「現実」と「妄想」の入り混じった世界で苦しんでいるのが良く分かります。

しかも、自伝を書くくらいのなので彼自身のインテリジェンス自体は高いです。
手記の中で「妄想」と「現実」を注意深く分け、冷静にコメントをつけて行こうとする過程に特に知性の高さを感じました。

こういうのを読むと、ヒトとヒトとの間を埋めるミッシングリンクとして、想像力を使うことを旨としているのですが、自分の想像力の限界を感じます。  


Posted by キミドリ at 22:28Comments(0)