はじめての宗教論 右巻 ー第2章 聖書の正しい読み方ー

キミドリ

2011年09月28日 07:00




第2章 聖書の正しい読み方-何のために神学を学ぶのか?
<目次>
「人はパンのみに生いくるにあらず」の意味
中世の神学教育
神学のポイント
『新共同訳聖書』誕生の背景
お勧めの神学入門書
4つの福音書
なぜ、またいは新約冒頭に置かれているのか
後代の加筆
聖書を1冊選ぶなら、どれがよいか
モーセをめぐる矛盾?
逐語霊感説と十全霊感説


<要約>

 中世の神学教育では、みな旧約聖書と続編と新約聖書は完全に暗唱し、神学部の修業年限が平均で16年であった。
 聖書はそれだけで読んでわかるものではない。略解が必要である。
 また「~による福音書」とあるがこれは一人の著者が書いたのではなく、集団の文章である。
 新約聖書にはマルコ・マタイ・ルカ・ヨハネの4つの福音書が収められている。
 マルコが一番早くに成立し、以下、マタイ、ルカはQ資料(以下参照)とマルコをもとに自身の福音書を編纂した。
これらは3つは共観福音書と呼ばれ、カトリック・プロテスタントの聖書の基礎である。
 一方ヨハネはロゴスキリスト論(独自の哲学)をもち、正教に強く影響している。

マルコ(Mk)
マタイ(Mt) Mt+ Mk+Q
ルカ(Lk) Lk+ Mk+Q
上の3つは共観福音書とよばれ、カトリック・プロテスタントの基礎である。
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ヨハネ(Jn)→ロゴスキリスト論(独自の哲学):正教

Q:Q資料(クヴェレ) 幻のイエスの言行録とよばれている。

 しかし、時代が進み、神学を学問的に追及していくと、矛盾が生じ、聖書から直接信仰をもたらす力を汲み出すことが難しくなっていった。
 だから、神学部にはいかずひたすら神様に感謝しお祈りしたほうがいいという人たちもいる。彼らは逐語霊感説と十全霊感説の方法で聖書を解釈する。
 前者はマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネに神がのりうつって一語一語書いたとする説で、後者は書いたのは人間だか、そこには神の意志が働いていると考える。


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