真昼の悪魔 ~うつの解剖学~
2008年05月23日
という本を、図書館で借りてきて読んでいます。
めっちゃ・・・コワい。
「うつ」というのを病気として捉えたときの恐ろしさがよく出ています。
「恐ろしい」というのも
・「ウツをほうっておくと、脳に刺激を伝える神経システム自体が変調を来たす」という生化学的な側面と
・「うつ病になると、ひたすら助けを請うしかなくなるが、その力すらもうせてしまう」という心理的な側面と両方にわたってです。
この著者の「アンドリュー・ソロモン」さん自身はノンフィクションライターです。
彼自身の深刻なうつ病で、自身の体験と、詳細なリポートからこの本はなっています。
いわば「うつを体験した主観」と「専門家や患者にレポートをした客観」の二本立て。
にしても、プロの人が自分のビョーキについて本気で描くと、かなりスゴイです(笑)。
ただ、神経システムとかホルモンのハナシとかは私はもとが専門職だけにわりとさらっと読めてしまいますが、全く知らない人が読むと若干ハードルが高いかもしれません。
ただ、文学的な表現が多いのでそれだけでも読む価値がある気はします。
「うつ病は誕生と死である。何かの新たな出現と、何かの完全な消失、その両方を併せ持つ。」
「(うつ病では)最初に幸福が消えていく。何からも喜びを見出せない。大うつ病の有名な主要症状である。しかし、まもなくほかの感情も幸福の後を追って忘却の淵に沈む。知り合いだった悲しみ、おそらく自分をこのうつ病の世界につれてきた悲しみ。ユーモアの感覚。愛への信頼、愛する能力。鈍くなったと自分にすら分かるまで、精神が搾り取られていく。」
「薬剤治療は四方八方から蔓(ウツのコト。離れがたくまつわりつく感情を冒頭でこう表現している。)を切り開いていく。反撃が始まったのが分かる。(中略)だがそれだけではだめだ。それだけではとても足りない。うつ病に襲われ逃れたときの自分の再建には、愛、洞察、仕事、そしてほかの何にもまして、時が必要なのだ。」
ほかにも文学者らしい表現が沢山出てきて、うーん、と唸りながら読んでいます。
Posted by キミドリ at 13:17│Comments(0)│TrackBack(0)
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